寝返りしやすい枕を選ぶ
意外と多い寝返りの回数
睡眠中の寝返り平均回数
- 男性 ⇒ 26回
- 女性 ⇒ 16回
睡眠中に体勢を変える回数
- 男性 ⇒ 85回
- 女性 ⇒ 158回
寝返りの回数には個人差があり多い人で40回以上になる場合もあります。男女合わせての平均は21回ですから、どんなに寝付きが良い人でもそれなりに寝返りを打っています。
少し前に「寝返りが少なくなる枕」というものがありました。寝ているときにゴロゴロと動き回るのは下品で、はしたない振る舞いと認識されていたことが伺えます。
しかしこの考えは間違い。たしかに朝起きて布団やシーツがグチャグチャになっていると寝付きが悪い印象を受けますが、寝返りを打つほうが身体にとっては良いのです。
なぜ寝返りが身体に良いのか
寝返りは一カ所に集中する身体への圧力を分散させるための無意識の行動です。寝返りを打たないとリンパを圧迫して血液の流れが悪くなってしまいます。朝起きたら腕が痺れている、という経験はありませんか?あれは無理な姿勢を続けているということです。
長時間同じ姿勢を続けることは身体にとって大きな負担となります。眠りすぎると起きたときに身体がダルいことがありますよね。身体を休めるつもりの睡眠が逆効果になってしまっているのです。
さらに姿勢を変えることでこもった空気を逃して通気性の確保にもなります。寝返りは快適な睡眠をするための自然な行動ということですね。
寝返りが腰痛改善になる!?
寝返りの回数は腰痛にも関係しています。寝返りの回数が極端に少ない人は腰痛のリスクが高まります。寝返りをしないということは、同じ姿勢でリンパを圧迫し続けていることになりますからね。
寝返りにはストレッチと同じ効果があると考えてみてください。無意識でも身体は気持ち良い姿勢を目指すものです。適度に背骨を動かしながら負担を分散してくれます。血液の流れも良くなり血管内の腐敗物質を流して疲労を溜まりにくくしてくれます。
寝返りと睡眠の関係
ここまで寝返りが身体に良いことを説明してきました。しかし注意点が1つ。環境によっては寝返りが安眠の妨げになることもあります。
寝返りはエネルギーを消費する
起きているときに寝返りをうつのにさほど力は入りません。これは全員の筋肉を使ってバランスを取るからです。
ところが睡眠中の寝返りはどうでしょうか。脳は「寝返りをしたい」と信号を送っていますが身体は寝ている状態です。もし手足に力が入っていない状態で寝返りをしようとすると、そのぶん腹筋や背筋に負担がかかります。寝ている人や怪我をしている人を運ぼうとすると予想以上に重さを感じるのと同じですね。
女性の場合は寝返りのたびに目を覚ます人もいるようです。それだけエネルギーが消費されるということですね。
寝返りしやすい枕を選ぶ
結論として、寝返りをするのは良いことですが寝返りに余計な力を使ってしまうのは悪いこととなります。枕の寝心地を確かめるときは仰向けだけじゃなく、横向き・うつ向き・寝返りしやすいかどうか、この3点も確認しましょう。自然に寝返りをうてるものが理想的です。
枕の高さや硬さだけでなく、ベッドも関係してきます。ウォーターベッドや低反発マットレスだと寝返りの回数が減ります。柔らかいベッドは動きづらく、硬いベッドは動きやすいためですね。
枕でも同じことが言えます。硬い枕のほうが比較的動きやすくなります。柔らかい気持ちいいものを選ぶべきか、硬くて動きやすいものを選ぶべきか。難しいところですが、意識しておいて損はありません。